祭 文
中村 正人
謹んで、海軍兵学校第七十二期、海軍機関学校第五十三期、海軍経理学校第三十三期の戦没者諸兄の英霊に申し上げます。
本日ここに平成十三年度なにわ会参拝クラス会の日を迎え、御遺族、教官、並びに生存者が靖國の御社に相集いました。
顧みれば、六十年前昭和十五年十二月、大陸における戦火が拡大するなか、全国各地からそれぞれの学校に参集し、海軍生活の第一
歩を踏み出しました.一年後には太平洋戦争も勃発し、緒戦の相継ぐ勝利に日木全国が歓喜しました。その頃の某日、兵学校の大食堂
において、当直の教官から素晴らしい戦果の披露がありましたが、それは忘れることが出来ません。「艦攻三機をもって駆逐艦三隻撃沈」という驚くべきものです。我々は、この調子では卒葉後、敵の艦はもう無いのではないかと危惧したものです。
しかしながら、ミッドウェイ海戦の躓き、餓島ガダルカナル島からの撤退等、徐々に戦勢は不利に展開し始めました。このような情勢のもと、我々は卒業し、戦勢を一挙に挽回するとの決意のもと、第一線に赴きました.諸兄は苦しい中勇戦敢闘し、遂に身を国に捧げられました。誠に痛惜・断腸の思いです。
やがて、戦いは終りました。直後は本当につらい苦しい時期でした。祖国日本は、それを乗り切り、徐々に発展し、世界からジャパ
ン・アズ・ナンバー・ワンとまで評価されるまでにいたりました。しかしながらこの十年程は、制度疲労等により、いささか精彩を欠いておりますが、依然としてODA世界第一の経済大国として世界平和に寄与しております。これ偏に諸兄の国に殉ぜられたことが、出発点になったものと固く信ずるものです。
最近成立した小泉内閣は現在の不況脱出のため、不良債権の解消、デフレの克服等に着手しています。
われわれも最大限努力いたしますが、願わくは在天の英霊の御加護を賜わらんことを。
平成十三年六月五日
なにわ会 代表 中村 正人