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平成15年度なにわ会参拝クラス会祭文

平成1565

なにわ会慰霊祭

靖国の御社に、新緑はようやくにしてその色を増し、逞しくなり、六月初頭の風がさわやかに梢を渡っております。靖國の御社の祭神となられて鎮まります海軍兵学校第七十二期、海軍機関学校第五十三期、海軍経理学校第三十三期の英霊諸兄に申し上げます。

本日貴兄らのご遺族をはじめ、私たち生存者110名相集い、新緑萌えわたる靖國の御社に昇殿し、御霊を間近に額づき、慰霊の儀を執り行っております。

大東亜戦争の終戦後、五十八年の歳月が流れ去った今日、静かに眼を閉じて顧みますれば、昭和十五年十二月以来、海軍将校生徒として輝かしき青春時代を文字通り寝食苦楽を共にしておりましたのも束の間、やがて祖国日本の盾として、

従容として死地に赴かれた諸兄の凛々しき姿は、今もなお私どもの脳裏に焼きついて片時も忘れることが出来ません。

祖国のためとは申せ、若い命を紺碧の空に散華し、あるいは澹海の底に沈まれたことは、ご遺族にとってはまさに断腸の思い、私達にとっても痛恨の極みであります。また、年経るにつれて諸兄らを慈しむ想いは募るばかりであります。

しかしながら、諸兄らの輝かしい偉業は、必ずや祖国日本の歴史に未来永劫にわたりわが民族の誇りとして、子々孫々に伝えられることを確信しております。

また、われら命ある限り、諸兄らが身を挺して示された愛国の赤誠を遍く世に伝えて止まることなきようここに誓います。

願わくは在天の御霊よ、常しえに安からんことを祈念して祭文といたします。

  平成十五年六月五日

なにわ会代表 豊廣 稔