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「なにわ会」年末クラス会の記

岡本 俊章

平成六年度「なにわ会」年末クラス会は、師走としては珍しく、コートが邪魔になるポカポカ陽気の十二月八日「グランドヒル市ヶ谷」において開催された。

 石隈教官、幸崎教官を始め、自称特四号の田島氏を含めて総勢九十名(うち夫人同伴三名)の参加を得て、定刻を少し過ぎた一七四〇頃幕を開け、二〇〇〇頃恒例の軍歌演習をもって幕を閉じた。

野崎幹事のめり張りのある司会進行により、和して流れず、大いに飲み、食い、歓談を尽くして、本年の棹尾を飾ることができたと考える。概要次のとおり。

 まず、野崎幹事の発声により、戦没者及び戦後物故者のご冥福を祈り黙祷を捧げた。

 開会のあいさつ・・・・池田幹事

本日は五十四回の大東亜戦争開戦の日に当り、感慨一入である。

江田島慰霊祭をつい先月行なったばかりなので、年末クラス会への参加者が少ないのではないかと心配したが、予想以上の参加者があり、大変嬉しく思っている。

本年は当初月一回の割合で訃報が続き心配していたが、後半に入ってその傾向がとまりホットした。

 本日は心ゆくまで充分歓談して戴きたいと歓迎のあいさつを述べた。

教官御挨拶・・・・石隈教官

 石隈教官は相変らずの若さで、当日も海幕での会議に引続いてのご出席であったが、ぉ疲れも見せられず、「健康に留意していつまでも元気で活躍してほしい。」と励ましのお言葉を戴いた。

 (石隈教官には、われわれ「なにわ会」の行事には必ずご出席くださり、有形無形のご教示を賜わっている。深甚の敬意と感謝を覚える次第である。)

 幹事報告・・・・岡本幹事

本年は次に述べる二、三を除き概ね前動続行で諸行事を行なった。

1、第七十二期戦没者戦後物故者慰霊祭

 この件は昨年来の懸案であったが、ご遺族、生存者合計約四百名のご参加を得て、無事終了することができ、同慶の至りである。

 これは昨年から引続き、佐藤幹事の綿密な計画調整と、昨年度幹事の岩本、中山両君並びに矢田君や現地江田島方面の篠田、 長山両君及び特四号田島氏等のご尽力に負ぅところ大であり、参加生存者諸兄のご協力にも深く感謝している。

2、戦没者のご両親に対する暑中お見舞品

 本年は、「福砂屋のカステラ」をご生存中の三十四名の方々にお送りした。

3、兵科電話連絡網の機能情況綱査

従来、連絡綱による電話連絡が充分機能していないという不満がしばしば聞かれたので、新名簿発刊に当り、電話網を一都修正のうえ、その全体図を巻末に添付して周知徹底を計ることとされた.それに伴い、新名簿配布の連絡を兼ね、連絡状沈確認のため、最終段階各位に通達結果を葉書により通知するよう依頼したが、その結果はきわめて不充分であった。依頼どおり葉書により通知のあったものに、電話で完了通知をうけたものを含めても、確実に最終段階者まで通達されたと思われるものは約五十%弱にとどまった。

 これは、趣旨が充分徹底されなかったためと思われるが、互いに充分意を用いる必要がある。特に次段階者が不在等で連絡不能の場合、中断することなく、更に次の段階の者に連絡して、最終段階者まで完全通達を計る配慮が望ましい。なお、葉書による通達状沈の通知依頼は今回限りであって、今後すべての電話連絡のつどそれを期待するものではない。誤解のむきもあるので念のため申し添える。

4、七年度幹事紹介

 七年度の幹事は次の諸兄である。

 兵 科 中西健造、向井寿三郎、岡本俊章(継続)

 機関料 安藤 満

 主計科 高柳行雄

来年度幹事を代表して中西君があいさつ。

乾杯・・・・幸崎教官

  幸崎教官壇上に登り、乾杯の音頭をとって戴く。

 (幸崎教官は病後で、体調必ずしも万全ではないとお聞きしていたが、令息の送り迎えつきで態々ご出席戴き感謝に堪えない。)

 以上で一応の儀式を終り、打ち方始めの合図で宴は一挙に盛り上りをみせ、方々からの飲物の追加注文に忙殺されるありさまであった。

 宴半ばに次のとおり連絡事項あり。

○佐藤幹事から

 長山君及び田島氏の肝入りで、広島市における懇親会を含め、江田島慰霊祭の様子をビデオに撮ったことを紹介、希望者は田島氏に申込まれたい旨連絡あり。

○矢田次夫君から

 日本海軍の伝統を後世に残す墟点としての水交社々屋修復費寄付に関する要請。

○野崎幹事から

 泉五郎君作成のカセットテープ「薩摩琵琶七十二期鎮魂賦」の紹介。

〇岡本幹事から

 戦後、村田善則君のご遺族から、昨年同様長野リンゴをご寄贈戴いた旨披露。

 歓談なお飽きることを知らず、大いに盛り上ったが、定刻も近づいたので後藤俊夫君のリードで軍艦マーチの大合唱をもって二〇〇〇頃クラス会の幕を閉じ、来年の再会を期して解散した。

付記

1 平成六年中に鬼籍に入られた方々の氏名並びに命日は次のとおり。(敬称略)掲載略

2 偶感

今回のクラス会出席者の一名から、十二月六日になって「出席で回答しておいたが家内が体調を崩したので出席できなくなった。」と電話連絡があった。ところが十二月七日朝再度電話連絡で「家内が、折角の機会だから是非出席して、クラスの方々に会ってきなさい。と云うのでやはり出席する。」と連絡があった。この御仁にして、この奥方あり。と感心した次第である。クラス会にはできるだけ多くのご出席を得て旧交を温めたいものである。できることなら泉君、伊藤(孝)君、村山君等にならって奥方同伴で。奥様方も、未亡人を含め、お互い誘いあってご出席戴き、錦上に華を添え頂きたい。

教 平成六年度

なにわ会年末クチスス会出席者名簿