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89号

第十回戦闘機会の記

岡本 俊章

今年度の戦闘機会は風薫る五月二十日と二十一日、今年度幹事の森園兄の肝いりで、新緑目にしみる箱根の山懐に抱かれた老舗温泉旅館の早雲閣を拠点にして実施された。

参会の面々は十五名。遺族の山田一夫(故三郎の兄)粕谷衛(故仁の弟)両氏は、遠路態々ご参加頂き、こころから感謝の意を表します。

また、市瀬兄には今年もご夫人とともに友情参加され、感謝に堪えない。

参加者一同は、箱根のロープウエイ早雲山駅すぐ近くの早雲閣に三々五々集合、一風呂浴びて寛ぎ、懇親会の開始を待つ。午後六時過ぎ、一同大広間に集合、森園幹事の開会の挨拶の冒頭、戦没並びに戦後物故のクラス諸兄に思いを馳せ、冥福を祈り、しばし黙祷、挨拶が終わり、『雪方始め』となる。一同は山海の珍味に舌鼓を打ち、実酒を酌み交わしながら、たちまち歓談に花を咲かせる。微醺ようやく漂う頃、いよいよ常任宴会幹事石井兄の出番となる。まず、村瀬兄の円熟した西川流の日本舞踊に拍手喝采。引き続き、石井兄の言葉巧みな誘導(半強制か)にょり、自信のある者、ない者、それなりに熱唱。軍歌あり、演歌あり、民謡ありで大いに盛り1がる。中でも、相沢兄の軽妙洒脱な話術は、一同を爆笑の渦に巻き込むことしきりで、時の経つのも忘れさせたが、午後九時半頃、懇親会は一応お開きになる。しかし、余韻覚めやらぬ一同は、一室に集まって二次会に突入。引き続き、クラス諸兄に関する情報交換、及び、国内外の情勢等について談論風発、止まるところを知らない状況であつた。しかし、明日の予定もあるので、午後十一時半過ぎ、各部屋に分散し就寝する。

翌二十一日は早朝から快晴、五月には珍しい夏日となる。朝食後一同揃って彫刻の森公園に至り、ピカソ美術展を鑑賞するとともに、陽光に映える園内を散策し、大小の美術作品に接し、しばし芸術の世界に浸る。一同は再びロープウェイで下り、十一時半頃、箱根湯本駅に到着。駅から徒歩約五分の料亭『雅光園』に入り、軒下のすぐ側を流れる早川の瀬音をバックミユジツクに、次々に運ばれてくる会席料理の昼食をとりながら約二時間談笑。体調必ずしも万全とは言えない森園幹事の尽力に感謝し、来年度幹事を松山、岡本に指名後、お互いの健康を祈り、来年の再会を期待しながら解散した。

いつもながら、本会は、寝食を共にし、死線を越えてきた同志が相集い、大いに談笑し、ますます親近感を深めるとともに、気概に満ちた往時をしのび、単なる懐古主義に流れず、反省すべきは反省し、誇り高き『ビーイング シニア』であり続けるための活力補給に役立つこと大であったと考える。

参加者

中西、市瀬、相沢、阿久根、石井、市瀬夫妻、大村、岡本、新庄、中西夫妻、森園、粕谷(弟)、山田(兄)、