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90号

湘南なにわ会新年クラス会記

上野 三郎

恒例の湘南新年クラス会は、元旦から引き続いた暖かい晴天に恵まれた一月四日、いつもの鎌倉市「二楽荘」で二十九名(昨年と同数)の参加で盛大に開催された。

先ず戦没者及び戦後物故者に黙祷を捧げたあと、「なにわ」会年度代表幹事若松禄郎君の挨拶、乾杯の音頭で新年を祝い懇親会にはいる。女将さんより「三十年に亘(わた)るご愛顧にお礼を申し上げると共にお出しする料理で皆様の長寿をお祈りします」との挨拶があった。三十年とはかなり長いと思ったが、樋口 直君の言によれば昭和二十六年に加藤孝一君の誕生日一月八日に集まったのが始めで、それから続いていると聞き、その歴史の長さに驚き、長く続けなければならぬ大事な会であると認識を新たにした。

宴の途中で、小灘利春君より最近光人社から刊行された片岡紀明著「最後の海空戦」は我々クラス、コレスの戦記ばかり纏められており、一読を薦めると紹介があった。

また、伊藤正敬君より昨年末泉五郎君の骨折りで作製、配布された「なにわ会名簿」の作成費について、クラス会費に多少の余裕があるのでこれを引き当てはとの提案があり全員賛意を表した。

料理の皿が重なり、アルコールの量が増えるにつれ、昔の若さを取り戻し、弁も爽やかになり海軍時代の遠き思い出、終戦後歩んできた道、自分の没頭している趣味、健康管理等お互いの談義に花が咲き、時間の経過を忘れて盛り上がった。

出席者の大部分が八十を越える歳になり、気力があっても足腰の衰えには勝てず、立ち居振る舞いに不便を感じるようになっての状況を察知して、会の終わりに市瀬幹事から「次回の会合は座るのをやめて椅子席に」との動議が出され、全員の賛同を得た。(二年前には座る席を固執したものだが)また三條貞治君が難病で入院中との報告もあった。

開会して三時間近く経過したので閉会を告げるも、誰一人として座を立つ者もなく、年の初めの宴の余韻を楽しんでいる光景が印象的であった。来年の一層の盛会を祈って散会した。

 参加者

安藤昌彦、足立喜次、伊藤正敬、市瀬文人、岩松重裕、上田 敦、上野三郎、浦本 生、草野家康、窪添龍輝、藏元正浩、小灘利春、後藤 脩、後藤俊夫、後藤 寛、幸田正仁、左近允尚敏、椎原国康、豊廣稔、中井末一、中村正人、原田種睦、樋口 直、深尾秀文、松下太郎、溝井 清、矢田次夫、山田良彦、若松禄郎