TOPへ 

97号

17回パインなにわ会の記

應 蘭芳 

平成19年4月22日。桜も終わり4月なのに抜けるような五月晴れの青空。汗ばむ陽気の中を左近允さんと横須賀中央で待ち合わせて、パインなにわ会の会場 料亭小松遊雅亭へ向かう。

今日は17回パインなにわ会。世話役の中村元一さんが体調を崩されて欠席の由。左近允さんの御要望で急遽(きょ)受付係りを担当。私がこのなにわパイン会に参加させて頂いて9回目、すなわち9年目!



左から 前列 後藤寛、深尾、池田、野崎、幸田、森園。

    後列 左近允、渋谷信也、足立喜次、上野、旭、

応蘭芳、山田良彦、相澤、藏元、松下。

定刻の30分位前からメンバーが三々五々と姿を現す。さりげなく遊雅亭の玄関をくぐり受付にすっと立つのは、全員燻(いぶ)し銀の上品な紳士方(この場合の紳士は最近メディアなどで使われている紳士でなく、広辞林1086頁の紳士、即ち、気風が気高く礼儀の厚い人。教養の有る礼儀正しい人の意味です。為念。)

出席者は15名。欠席の方からも近況が届く。定刻になり宴が始まる、今年も、また、皆がひそかに楽しみにしている焼津の旭さんからの差し入れで美しい桜海老を生とかき揚げで頂く、美味!

料理と盃(さかずき)の進行で会話がはずむ、波を切るように女将が現れ一段と盛り上がる。女将と言えば、先代の大女将がお元気で現役の頃からのお付き合いだけど、この方はちっとも変わらない、こっそり不老長寿の秘薬でも服用しているのかと思ってしまう。

皆さんは楽しげにタイムスリップ、燻(いぶ)し銀の紳士がいつの間にか颯爽(さっそう)とした帝国海軍士官に変身。(へンシーンと言いたい気分です)飛び交う言葉が若々しい。至福の時間をお裾(すそ)分けして頂く。毎回のことだけど貴様と言う言葉の響きに、ここでは何時も驚く、こんなに明朗闊達(かったつ)な貴様と言う言葉の響きは、舞台でも、映画でも、テレビでも、勿論現実の世間でも聞けない。貴様って、本当はこんな言葉だったのだ。やがて、潤滑油が行きわたって、唄(うた)が始まる、毎度おなじみ七十二期のスターシンガー相澤さん、この方はどんなに、上品でない唄を歌っても、決して下品にならず皆を楽しませる不思議な才能をお持ちの方、ご人徳でしょうね。幸田さんもすてきな唄を歌って下さる、私もご愛嬌で歌う、気分は最高。今回初めてお目にかかった方もいらしたけど、殆どの方はもうすっかりお馴染(なじ)みで軽口をたたきながら記念撮影。楽しい余韻に包まれて、帰路が同じ方たちと電車に乗る。最寄りの駅から自宅に向かう途中、都内には珍しく星が沢山見える。

数日後、記念写真が届き、手にとって見入る。何時もこの会の記念写真を頂く度に思うこと、仕事柄色々な所で色々な記念撮影するけれど、パインなにわ会の記念撮影のような写真はまずない。完璧な紳士が15名、思考派、行動派、慎重派、理論派、秋霜烈日派、直情径行派、天衣無縫派、健啖(たん)派、ちょっぴりニヒル派、いささか無頼派、ちょいワル派、快飲派、羽化登仙派、若しかしたらH派、疾風迅雷派、等々、それぞれのたたずまい。こんな粋でスマートな天真爛漫(らんまん)な方たちと9年間も一年に一度とは云え、ご一緒させて頂いて、女冥利に尽きるとは、まさにこの事。あらためて出会いに感謝。ありがとう。これからもどうぞ、よろしく御願い致します。

【筆者紹介】

女優、日本落下傘スポーツ連盟理事長、 防衛省オピニオンリーダー。

ロンドン生まれ、大連で育ち終戦で帰国。 水泳の高飛び込みで全日本3位。

東映第5期ニューフェイス。 俳優座養成所第12期生。

映 画は「素晴らしき娘たち」 「魔性の女」ほか、

テレビは「事件記者」「マグマ大使」 「プレイガール」ほか、

舞 台は「伴淳劇団」「トップガール」ほか (昨年は「あまてらす」「蒼空」ほか)、

レコードは「火遊びのブルース」 「渚のエクスタシー」ほか。

特技はスカイダイビングD級ライセンス、 自動車A級ライセンス、全日本潜水教師インストラクターなど。

他に 全国外国人芸能人連絡協議会長、 日本レジャースポーツ振興会理事、

北海道スカイスポーツ連盟理事など。