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平成22年4月23日 校正すみ

山田穰・小灘利春様のレポート海上自衛隊潜水艦教育訓練隊の参考書に

田島 明朗

 昨年、山田 穣様から「米海軍解禁資料による菊水隊ウルシー攻撃に関する一考察」と「頭上の狼・眼下の敵」(米護衛駆逐艦コンクリンと伊号第三七潜水艦・伊号第四八潜水艦の死闘)とタイトルされた論文のご恵与にあずかり、精読させていただきました。

 この論文は、小灘様もご協力なさって、平成十三年二月に完成した菊水隊戦闘史の誤りを正す画期的なレポートで、限られた部数しかコピーされておらず、どう考えても私が拝読後私蔵するのは勿体(もったい)なく、山田様のご了承を頂いて「潜水艦教育訓練隊」に紹介しました。

潜水艦教育訓練隊は「参考書として使用させて頂く」と、何と五十冊のコピー製本を行い使用しております。

 追いかけて、十一月に大津島の回天慰霊祭でお目にかかれた小灘利春様から「いまウルシー攻撃のレポートを纏めている」と言われ、早速「回天乗り」の立場から書かれたレポートをご送付頂き、先の山田穣の論文と同じ処置をとり、潜訓隊の参考書になりました。

 潜水艦教育訓練隊は、「山田、小灘両先輩のご著作を併せ読むと非常に理解しやすい。特に回天作戦を直接ご承知の方の得難い参考文献だ」と喜んでおります。

 ところでつい先日、潜訓隊の副長から「両論文に付されているウルシー環礁の図面を拡大して、潜水艦資料室の貼()り出したいのだが・・・・」と電話を受けました。

「海上自衛隊は持っていないのか」と問えば

「いくら資料を探しても、このように詳細な図面は見当たらない」との返事。

「出所を明らかにすれば差し支えあるまい」と返事をしましたが、それでは日本海軍は、どの程度の海図を使ってこの作戦に臨んだのか? 少々考えさせられました。

(特四号生徒)

(なにわ会ニュース90号90頁 平成16年3月から掲載)

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